BELIEVER |
どこまでも続く金色の砂漠、その中で真白い塔が、蜃気楼のように美しく揺らめいている。 傍らの砂に突き立てた巨大な剣の柄に手をかけ、男は塔を見上げた。 おもむろに砂から剣を引き抜き、男は無防備に口を開いている塔へと、足を踏み入れた。 ひんやりと冷たい空気はそこはかとなく静謐、眩いばかりに白い壁は荘厳。 最上階、白い光の差し込む円形の部屋に、羽のようなローブを纏った一人の女性が、 大理石の床に浅く掘られた溝をさらさらと透明な水が流れていく。 だが、部屋の美しさも女性の美しさも気に留めずに、男は手にした大剣の刃を女性に向けた。 「あんたがこの砂漠の女神か」 不躾な男の質問に、女神はその秀麗な眉一つ動かさずに、透明な声で静かに尋ね返した。 男は、迷わずに言葉を紡ぎだす。低い音が静かに、しかし力強く部屋を満たしていく。 「神は常に、人間の心の中に居る」 刃を振り上げ、男が答えた。女神は、動かない。 「神の存在は、この世に必要ない。意思を持つ強大な力は、存在していてはいけないんだ」 女神は無抵抗に瞳を閉じた。巨大な刃が、振り下ろされる。 鈍い音。 「…だから俺は、神を狩る」
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9作目囁ピエ[BELIEVER]、「信じる者」でした。
今回は何の工夫もなく、自分の行動と考えの正しさを信じている者の話。
「I gotta believe!(僕なら出来るさ)」By.パラッパ(笑)
04.02.