HUMAN GATE |
サラサラと風になびく髪、優しげな微笑みを浮かべる秀麗な顔、あらゆる事に精通する頭脳、 どうにか欠点を挙げるとすれば、彼の体は鋼鉄製であり、知識や性格はプログラムである事だけ。 そう、少女はアンドロイドに恋をしたのだ。 少女の決死の告白を、困った顔で言葉を選んでそっと断る少年に、少女はますますヒートアップ。 そこまでされれば、普通の人間であれば、流石に相手に恐怖心を抱きかねない。 ある朝少年は、ようやく少女の愛の言葉を受け止めた。初めての告白から1年、375回目のプロポーズ。 人間と機械の隔たりを超えた二人の愛。しかし当然、少女の両親が素直に二人を祝福する筈が無い。
悩みに悩んで、彼女らは向かった。唯一の希望、人と人外を繋ぐ伝説の門、"HUMAN GATE"へ。 目指すはそう、二人で描く幸福の日々。
少女の足にその道のりは険しかったが、優しく万能な、何より愛しい少年との二人きりの旅は、 装飾の少ない白い門が、深い霧の中にひっそりと立っている。 門のあちら側では、愛しい少年がそっと少女を見守っている。 大きく息を吸って、少女は駆け出した。門をくぐり、少年の胸に飛び込む。
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7作目囁ピエ、[HUMAN GATE]。
人間の門をくぐって"入る者"ではなく、"出て行く者"。
タイトルをそのまま固有名詞として使うのは、今回が初めてでした。
04.02.