No_title.
くもりガラス越しに飛び去った影、
薄闇の中の小さな白木、
障子に映る揺れる木の葉。
フィルターを挟んで見る世界には、
恐ろしいものが溢れているけれど。
陽の光の中でガラスも障子も開け放てば、
そこにあるのは他愛ない優しい色ばかり。
美しい音色も、
輝ける景色も、
全てが一夜の夢だとしても。
この世界に溢れる沢山の色も、
あの空に輝く無数の星々も、
全てが広大なシステムの描く美しい幻影なら。
僕は僕の存在さえ見失っても、まだここに立っていられる。
Fin.
解説
疑心暗鬼。
私は暗い場所が好きなくせに怖がりなので、怖いものは多いです。
でも、確かめてしまえば何てことないんですよね、大概(笑)
もしこの世界が誰かの一晩の夢だとしても、全然構わないと思うのです。
ここにいて、何かを思ったり感じたりしている。
それで充分。