壮大な欺瞞
水面に立ち上る海市。
砂漠に立ち上る蜃気楼。
アスファルトに揺らぐは…。
生命は土に還る。
都市は土に帰る。
心はどこまでか遠く…。
海が広がる。
砂漠が広がる。
宇宙が果てなく膨張し…。
遥か彼方で、星がひとつ燃え尽きた。
ここでそれが消える日は、まだ遠い未来。
歴史が長く、尾を引いた。
解説
今夜空に輝く星は、その場に無いかも知れないそうです。 光の進む速度の問題で、こちらに届いている光は、長い距離を旅してきたワケですか。
遠くの鳥がこちらに来れば見えるけれど、元の位置には今何もいない…そんな感じかな? 一度放たれた光は消えないけれど、光源は既に消えているのかも。
蜃気楼も、海の蜃気楼"海市"も幻、欺瞞(偽り)。 はるか昔に消えているかもしれない星が、今なおここで輝いているのも欺瞞。
広大な距離と時間が、小さな欺瞞を壮大な欺瞞に変える…そんな気がします。