ひこうきぐも

く色づく南天の実

小鳥がついばむ りんごが揺れる。

木の葉の落ちた若木に ぽつり

取り残された、そのりんご。

こうきぐもに さそわれて

道に迷った靴跡に

優しく枯れ葉が降り積もる。

は遠く 蒼ざめて、

海は深く 黒ずんで。

鳥のさえずり、木々のざわめき

落ちるりんご、誘う甘い()

たゆたう光に まどろむ世界

りは優しく あなたを包み、

揺り起こす(すべ)を 私は知らない。

モドル


解説

用事がなければ、何日でも家に引き籠ってそうな私。
はい、自宅が大好きな人間です。体力無いし…←悪循環(笑)

普段は、寄り道もせずに、一目散に帰宅するくらいの勢いです。
でも、たまにのんびりと目的もなく散歩すると、言葉がグリグリ浮かんできたり。

突然地べたに座り込んで、携帯にメモ。
そうやって作ったのが、この詩でした。

2004.1.