私信

持ち合わせの錆びた斧を振りかざして

刈り取らないで 逃げ道を

そんなにまで必死で背後の橋を落とされずとも

わたしは ちゃんと成し遂げるつもり

それでも振り返ったとき

退路も笑顔で見守る人も見えないことは

何よりも わたしを壊してゆくから




空が どれだけ青くとも

道が どこまで続いても

人が どんなに優しくても

時に追われた急き足には かえりみる首は失われ




せめて その焦る心が刃となりて

誰かの吊り橋を 無惨に落としてしまわぬよう

わたしはわたしに かすかに祈る

fin.

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解説

人間、イッパイイッパイになると怖いもので、
それまでの相手のイメージや相手へ抱いていた好感を、
一太刀で消し去る大打撃の暴言を吐くこともあるらしい。

それが相手の顔の見えないネットやメールなら、尚更に刃は鋭さを増して。

私も知らないうちに、誰かに痛恨の一撃を連発してたりするんだろうなぁ…。
顔が見えないって恐い。…じゃなくて、ごめんなさい。
しかし、今年はオフの対人福気が凄まじく低下している気がするなぁ。

2004年10月